根管治療
根管治療について

根管治療とは
根管治療は根管内の細菌をできるだけ減らし、身体の防御反応を優勢に傾ける治療です。
神経の入っていた部屋に溜まっている菌を、ファイル、もしくはニッケルチタンファイルという呼ばれる機械で取り除きます。その後に消毒をして抗菌薬を中に塗布して根管の病気の治癒を図ります。
一旦感染した根管の「無菌化」を図るため、根管内の細菌をできるだけ減らし、身体の防御反応を優勢に傾ける治療です。
このような方は根管治療が必要です
歯髄炎
神経が生きている歯に起こります。虫歯、歯周病、外傷などによって、歯の神経組織に炎症が及んだ状態となります。
- 何もしなくてもズキズキと痛い
- 冷たい水や温かい飲み物などで
強い痛みが現れる
(もしくは20秒以上持続)
根尖性歯周炎
歯の神経がなく、神経が壊死した状態の歯に起こります。
細菌によって根っこの管が汚染されると、根尖(根っこの先)を通って、身体の中に細菌が広がってしまいます。その際、身体の免疫反応によって炎症が生じます。感染源が歯の内部にあるため、持続的に炎症が進行し骨の破壊が進んでいくのが特徴です。
生体防御反応の1つなので、患者さまご自身の免疫力(全身状態)にも依存しています。
- 疲れたり体調が悪くなると、
歯がうずく(鈍痛) - 咬むと痛い、違和感がある
- 歯茎におできができる、膿が出てくる
- 自覚症状が現れないことも多い
根管治療の必要性
歯は一度失うと二度と再生はしません
そしてご自身の歯(天然歯)に勝るものはありません
歯の神経(歯髄)に感染が広がり、細菌感染した歯髄をそのままにしておくと、感染が進行して周囲の骨を溶かしてしまいます。膿の袋(嚢胞)が出来たり周囲の歯にも影響を及ぼします。
1本でも歯を失うと、歯並びや噛み合わせが乱れていきます。虫歯や歯周病にかかるリスクも高くなり、2本、3本と歯を失ってしまうケースも少なくありません。
抜歯や骨への菌感染を避けてご自身の歯を残すために根管治療はとても大切です。
歯の神経がない状態でも
痛みを感じる理由
歯の神経がなくても痛む理由は、歯の根や歯茎、顎の骨など歯の周りの組織にダメージが加わっているからです。
歯自体の神経はなくても、歯の周囲組織には痛覚を感じる神経が残っています。
痛みを感じる原因
- 歯の根にひび割れや膿が溜まっている
- 歯根膜に炎症を起こしている(歯根膜炎)
- 噛み合わせが合っていない
- 歯周病が進行している
- 被せ物が歯に圧力をかけている
が挙げられます。歯の根に膿が溜まっている場合には早急に根管治療が必要となります。
ケース毎の根管治療の方法について

歯の神経が残っている場合の
治療方法
麻酔をして感染している神経を取り除いていきます。(抜髄)
神経の入っていたお部屋(根管)を消毒して抗菌作用のあるお薬を入れて、根管内を無菌状態にします。その後元々の神経の代わりになる最後のお薬を入れて終わりになります。(根管充填)
歯の神経が残っていない場合の
治療方法
神経が残っていない場合は、神経の代わりになるお薬が詰まっていることが一般的です。菌によって汚染されているそのお薬をまず根菅内から取り除きます。消毒して抗菌作用のあるお薬を入れて、根管内を無菌状態にします。
その後元々の神経の代わりになる最後のお薬を入れて終わりになります。(根管充填)
きちんと根管治療を
しなかった場合の例
根管治療が必要な状態であるにも関わらず、放置すると、歯髄の炎症が周囲の骨や組織に広がり、歯が抜け落ちたり、抜歯をしなくてはいけなくなります。
根管治療をしないとどうなるか?
- 歯を支えている骨や顎の骨が破壊される
- 根っこの先に膿の袋が形成される
- 強い痛みや顔の腫れ、
発熱などの症状が現れる - 顎の骨が溶かされる
抜歯しなければならないケース
- 歯の根が縦に折れている、
ヒビが入っている - 歯が割れている
- 虫歯の進行範囲が広い
- 根に大きな穴が空いている
- 歯周病が進行して
歯が様々な方向に揺れる - 根管治療をしても症状が改善しない
- 根管治療をしても炎症が
何度も繰り返される
当院の痛みに
配慮した取り組み

根管治療(歯の神経の治療)は、歯の内部にある神経(歯髄)を取り除き、根の中をきれいにする治療です。
治療中の痛みが心配という声も多いですが、当院ではできる限り痛みを抑えた治療を心がけております。
根管治療で痛みを感じる
可能性のあるケース
炎症が強く麻酔が効きづらい場合
強い腫れや痛み、すなわち炎症があると、麻酔が効きにくくなることがあります。
人の血液は健康時pH7.4程度の弱アルカリ性であり、通常麻酔液はこの健康な時に効くよう作られています。炎症がある箇所は酸性になっているので麻酔が効きにくくなります。
神経が完全に死んでいない場合
神経が一部残っていると、刺激により一時的に痛みを感じることがあります。
当院の痛みに配慮した取り組み
十分な麻酔で
しっかり痛みを抑える
通常は表面麻酔+浸潤麻酔で、痛みを感じにくくする処置を行います。
下の奥歯であれば伝達麻酔を行うこともあります。

電動麻酔注射器の使用
手用の注射器だと力のコントロールが一定に出来ないため麻酔時に痛みがあることがほとんどです。
当院では電動注射器の使用により、“できるだけ細い針を使用して一定の速度で麻酔液を注入する”ことで麻酔時の鋭い痛みを和らげることができます。

麻酔液を人肌に温める
麻酔液と体温の差があると痛みを感じやすい場合があります。必要に応じて、麻酔液を人肌と同じ37度程度に温まることで痛みを軽減できます。

麻酔の効きを
確認してから処置開始
無理に治療を進めることはありません。患者さまの状態に合わせて対応します。麻酔の効きが不安な方は遠慮なくスタッフにお申し付けください。

処置中も声かけと確認を大切に
痛みがある場合はすぐに中断し、適切に対応します。安心してお任せください。

不安な方には、
事前のカウンセリングも
可能です
「根管治療が不安…」「痛みに弱い…」という方は、遠慮なくご相談ください。

一般的な根管治療の
期間と回数

※横にスクロールできます
治療内容 | 軽度の炎症 (神経がまだ生きている) | 神経が死んでいる/ 感染がある | 再治療 (以前治療した歯の再感染) |
治療回数 | 1~2回 | 2~4回 | 3~5回 |
治療期間の目安 | 1週間~10日程度 | 2~4週間程度 | 1ヶ月以上かかることも |
治療期間が長くなるケース
- 根の形が複雑で時間がかかる
- 膿がたまっている、強い感染がある
- 被せ物の装着までに補強処置が必要な場合
- 加齢や強い咬合力で
根が狭窄している場合
定期的に通院する必要性
根管治療(歯の神経を取り除く治療)は、一度で完了することはほとんどありません。通常、数回の通院が必要です。
「痛みがなくなったから」といって治療を中断すると、再感染や抜歯のリスクが高くなってしまいます。
根管治療に複数回の通院が
必要な理由
根の中を徹底的に
清掃・消毒するため
歯の根は非常に細く複雑な形状をしており、1回の治療では汚れや細菌を完全に取り除けないことが多いです。
薬の効果を持続させるため
根の中に薬を入れて、数日から1週間程度しっかり効かせる必要があります。その都度、効果を確認しながら治療を進めます。
再感染を防ぐための
密閉処置が必要
根の中がきれいになった段階で、再感染を防ぐための封鎖処置(根管充填)を行います。ここまでが終わって初めて「根の治療が完了」したことになります。
治療を途中でやめてしまうと?
- 根の中で細菌が再繁殖して激しい痛みや腫れが起こる可能性がある
- 歯を残すことができず、抜歯になるリスクが高まる
- 再治療が難しくなり、治療費・期間がさらにかかる
根管治療はどの歯科医院でも同じ?
医院選びが治療の結果を左右します
「根管治療はどこの歯科医院でも同じ」と思っていませんか?
実は、根管治療の成功率は歯科医院ごとの設備・技術・治療方針によって大きく差が出る治療のひとつです。
歯の土台となる“根管”の治療はとても大事です。根管をしっかり治療する事でご自身の歯の寿命を伸ばすことができます。
根管治療が歯科医院によって異なる理由
診断精度の違い
CTなどの精密機器を導入しているかどうかです。
パノラマX線写真や口内撮影の、二次元的なレントゲンだけでは発見できない病変や根の状態があります。CTなど精密機器を使い三次元的に確認できる医院では、より正確な診断が可能です。
医師の経験と技術
根管治療の経験が豊富な歯科医師ほど、複雑な根の形態や再治療にも対応できます。
未熟な歯科医師の技術力によっては、再発率が高くなってしまうこともあります。
治療方針・丁寧さ
患者さまとのカウンセリングをしっかり行い、治療内容やリスクを丁寧に説明してくれる医院は信頼できます。
治療回数を焦らず、一つひとつの工程を丁寧に進める医院が理想です。
医院選びのチェックポイント
- CTなどの精密機器を
導入している - 根管治療の経験が豊富
- 説明が丁寧で、不安に
寄り添ってくれる - 清潔で衛生管理が
徹底されている - 必要に応じて専門医を
紹介してくれる
最新医療機器・設備(CTや
顕微鏡など)を使用した、
精密検査の内容・重要性
CT(コンピュータ断層撮影)
歯科医療においては、X線検査に用いられるレントゲン撮影機器の普及率は高く、ほぼ100%の歯科医院で設置されていますが、歯科用CTスキャンの導入は普及していません。
しかし、歯科医療においても診断には、歯科用CTスキャンは必須です。特に根管治療の診断には欠かせないものとなっています。

診査・診断でかかせない検査である、X線検査(レントゲン・パノラマ写真・口内撮影写真)は、目視で確認できない体内の状況を把握するのに非常に重要な役割を果たします。しかし二次元的、一方向からしか歯の状態を確認することはできません。
そこで、最近、歯科医療の分野でも注目されているのが、歯科用CTスキャンです。
CT(コンピュータ断層撮影)は、Computerized Tomographyの略で、コンピューターによるX線断層撮影法のことを言います。
前述した通り、レントゲン撮影は一方向から見た画像ですが、CTは患部を輪切りにして診ることができたり、様々な方向から三次元的に患部を診る事ができます。
更にレントゲンと違い、診たい場所の画像をピンポイントで取り出して見ることができるのです。
そのため、CTスキャンは、歯科の分野でも、むし歯・歯周病・根管治療・インプラント・顎関節・腫瘍など、様々な疾患の診断に有効です。
特に根管治療においては、CTスキャン画像は、診断の精度を飛躍的に高めてくれます。レントゲン画像では映らない早期の病巣も、CTスキャン画像では、早い段階で見えてきます。また、レントゲン画像では見えない根管を確認できたりしますので、根管治療の成功率を向上させるのにCTスキャン画像は大きく貢献するのです。
根管治療を行う以前に、
抜歯をお勧めするケース

「歯を残す治療」と
「抜歯」の適切な判断
根管治療は、むし歯や感染が神経まで進行した歯を残すための大切な治療です。
しかし、すべてのケースで根管治療が適しているわけではありません。
歯や周囲の状態によっては、抜歯を選択する方が良いこともあります。
根管治療よりも抜歯を選ぶ
主なケース
歯の根が大きく破折している
根っこにヒビや割れがある場合は、細菌が内部に入り込むため治療しても再発するリスクが高いです。特に縦割れ(垂直破折)の場合は抜歯を勧めることがほとんどです。
歯の根の先まで
大きな病変がある
根の先に膿(根尖病変)が広がっていて骨を溶かしているような状態では、治療しても治癒しない可能性があります。感染が重度で治療の効果が見込めないときは抜歯が選択されます。
歯の残存部分が非常に少ない(虫歯の進行が深すぎる)
歯茎よりも下に深くまで虫歯が進んでいる場合、根管治療後のクラウン(被せ物)が安定しない、清掃ができないなどの問題が生じ、再治療のリスクが高くなります。
歯の保存が困難と判断されるケースでは、抜歯とインプラント・義歯・ブリッジなどの選択肢を検討します。
重度の歯周病で歯を支える骨が著しく失われている
根管治療は歯の内部の感染を治療するものですが、歯周病で歯を支える骨が失われている場合は歯の保存ができないため、抜歯になることがあります。
歯を残す治療はもちろん大切ですが、無理に残すことで周囲の歯や骨に悪影響を与える場合もあります。
そのため、町屋の歯科・矯正歯科では「残せるか」「抜くべきか」を総合的に診断し、患者さまと丁寧に相談しながら決定しています。抜歯するべき歯であっても、患者さまがお嫌であれば無理に進めず、抜歯せずに保存していく方法を一緒に考えていきましょう。
他院で「抜歯」と診断された歯も、
残せる可能性があります
セカンドオピニオンで
“歯を救う選択肢”が
見つかるかもしれません
「他の歯科医院で抜歯が必要だと言われたけれど、本当に抜かないといけないの?」
そんな不安を抱えて当院を受診される患者さまは少なくありません。
実際には、適切な診査・診断と高度な治療によって、抜歯を避けて歯を残すことができるケースもあります。
抜歯を避けられる可能性
がある主なケース
根管治療の再治療で治る可能性がある
初回の根管治療で細菌が完全に除去されていない場合、再根管治療(やり直し)によって治癒することがあります。
特に当院では、CTなどの精密機器を使用した精密な処置を行うので成功率が上がります。
歯の破折に見えて実は違ったケース
一見ヒビが入っているように見える歯も、実は着色や表面的なクラック(歯に生じたヒビや亀裂)だったというケースも。
詳しい検査を行うことで「抜歯不要」と診断が変わることもあります。
歯周病の進行具合の見極め
他院で「重度の歯周病なので抜歯が必要」と言われた場合でも、適切な歯周治療や当院でのメンテナンスにより改善し、歯が残せることもあります。
被せ物や土台を変えることで
保存可能になる場合
虫歯が歯ぐきの下まで進行していても、矯正的挺出などの処置で歯自体を動かすことで被せ物が可能になることもあります。
当院では日本歯科矯正学会の認定医が在籍しておりますので、矯正歯科のアプローチも兼ねてより一層歯の保存に尽力できます。
ラバーダムを用いた
根管治療について

ラバーダムとは
根管治療の際に歯に装着する薄いゴムのシートで、正式には「ラバーダム防湿」と呼ばれます。治療する歯だけを露出させ、唾液や細菌、血液などが侵入しないように無菌状態にすることで、根管治療の成功率を上げ、再発のリスクを減らします。
ラバーダムの重要性
- 根管治療の成功率が上がる
- 再発のリスクが減る
- 治療に必要な薬剤の漏れ防止や器具の誤嚥防止などのメリットがある
- 治療の精度を高める
- 治療中の交差感染のリスクを減らす
当院のセカンドオピニオン
について

当院では「残せる可能性」を
最大限に検討します
町屋の歯科・矯正歯科では、患者さまの大切な歯を一本でも多く残すことを基本方針としています。
CTを活用し、歯の状態を精密に診査・診断した上で、抜歯以外の選択肢をご提案します。
セカンドオピニオンを
受けてみませんか?
「抜歯しかない」と言われても、それが唯一の選択肢とは限りません。
他の選択肢がないか知ることは、患者さまにとって大切な“治療の自由”です。
他院で抜歯と診断された方も、あきらめる前にぜひ一度ご相談ください。
あなたの歯を守るために、全力でサポートします。
他院で「抜歯」と診断され、
治療内容に悩んでいる患者さまへ
歯医者さんで“抜歯をするしかない”
そう言われ、ショックを受けたことがある方も多いのではないでしょうか。
歯を抜かなければいけない状態になってしまったことについて、患者さま側も少なからず責任があるでしょう。多くの患者さまは、その後ろめたさから、「抜歯」という治療方法をすんなりと受け入れてしまっているように思います。
確かに、歯の状態によっては抜歯という選択肢が最善とされるケースもあります。
しかしながら、今まで見てきた患者さまの中には、抜歯する必要のない歯でも「抜歯が必要」と言われてしまっているケースも多々ありました。
抜歯までしなくても、実は他の治療法で歯を残せるケースも少なくありません。
町屋の歯科・矯正歯科では“できる限りご自身の歯を残すこと”を大切にしています。歯科用CTや拡大鏡を使った精密な診査・診断を行い、再根管治療や歯周組織再生療法、被せ物の工夫や矯正歯科との連携治療など、“歯を残すためのあらゆる可能性”を探って様々な治療法をご提案させていただきます。
大切なご自身の歯を最後まで守れるのは、適切な歯科医院選び含め、ご自身のみだと思います。
“絶対に歯を残したい”、他院での診断や治療方針に悩んでいる方、“他の選択肢がないか知りたい”という方も、ぜひ一度セカンドオピニオンとしてご相談下さい。
あなたの大切な歯がもう一度しっかりと機能する未来があるかもしれません。私たちにお任せください。