神経を取った歯は“枯れ木”になる?──歯の寿命に関わる大事な話
「神経を取った歯は長持ちしない」
そんな話を聞いたことはありませんか?
実はこれ、残念ながら事実です。
神経を取った歯には、健康な歯とはまったく違う“運命”が待っています。
■神経のない歯は「枯れ木」のようなもの
木は、水を吸い上げる根があるからこそ、しなやかで粘り強く折れにくいものです。
これと同じように、歯も神経(とその周囲の血管)があるからこそ、生き生きとした弾力やしなやかさを保っているのです。
ところが神経を取ると、歯の内部は血流が失われ、栄養も届かなくなるため、
時間とともに乾燥した枯れ木のように、もろく・割れやすくなっていきます。
一見すると何の問題もなさそうに見えても、
硬いものを噛んだ拍子に「パキッ」と割れてしまい、そのまま抜歯になるケースも珍しくありません。

■神経がないと「虫歯に気づけない」
もう一つ、神経を取った歯の大きなリスクが、再び虫歯になっても痛みが出にくいという点です。
痛みというのは、私たちの体が「異常があるよ!」と教えてくれる大切なアラート。
しかし、神経を取った歯にはそのセンサーがないため、異変に気づきにくいのです。
その結果、虫歯がかなり進行した状態でようやく見つかり、
「もう残せません」と言われてしまうことも…。

■一度神経を取った歯は、もう“元には戻らない”
そして何よりも重要なのは、
一度神経を取った歯は、二度と元には戻らないということ。
神経を取る=治療が終わった、というわけではなく、
実はそこから先のケアと経過観察が極めて大切になります。
「今は症状がないから大丈夫」ではなく、
むしろ**“症状が出ない歯だからこそ”注意していく必要がある**のです。
■だからこそ「神経を取らない治療」が大切
歯の神経は、単なる“痛みを感じる器官”ではありません。
血流を通じて栄養を届け、第二象牙質と呼ばれる“自己修復層”を少しずつ形成していく機能もある、大切な生きた組織です。
だからこそ、私たちはできるだけ神経を残す治療を選びます。
ギリギリのラインでも「なんとか神経を残せないか?」と判断を見極めるのは、
それだけ“神経があること”が歯の寿命にとって決定的に重要だからです。
■まとめ:神経を守る=歯を守る
もちろん、虫歯が深くまで進行してしまっていた場合には、神経を取らざるを得ないこともあります。
ですが、できるだけそうならないようにするには、やはり早めの受診と定期的なチェックが欠かせません。
「神経を守る=歯を守る」
この考え方は、年齢や性別に関係なく、すべての人に共通する“歯の守り方”です。