矯正って痛いの?──そこまで怖がらなくて大丈夫です
「矯正って、やっぱり痛いですか?」
これは、初診相談でよくいただくご質問です。
確かに、“歯を動かす”という響きから、強い痛みを想像される方も少なくありません。
でも、実際のところ──
痛みはあります。ただし、ずっと続くわけではありません。
今回は、矯正の痛みについて、誤解なく、そして安心して治療を始めてもらえるように、しっかり解説していきます。

■そもそも、なぜ痛みがあるのか?
歯というのは、大人が指で強く押しても1ミリたりとも動かないほど、しっかり顎の骨に固定されています。
その歯を動かすには、力をかけ続けて、骨の中でじわじわと位置を変えていく必要があるのです。
当然ながら、この過程で「痛み」を感じるのは自然なことです。
■矯正中の痛みは“治療の一部”として起こる
痛みは主に次のような場面で感じやすくなります:
- ワイヤー矯正: ワイヤーを交換・調整した日から2〜3日間
- マウスピース矯正: 新しいマウスピースに交換した当日〜翌日あたり
これはいずれも、「歯が動き始める刺激」に体が反応している証拠です。
噛むと響くような感覚や、ジーンとした鈍い痛みが数日間続くことが多いですが、1週間ほどで自然に落ち着いていきます。
■マウスピース矯正の痛みは少ない?──一概には言えません
「マウスピース矯正の方が痛みが少ない」という声を耳にすることがあります。
これは一部では事実かもしれません。
というのも、インビザラインをはじめとするマウスピース矯正は、
毎週〜10日に1回など、比較的短い周期でマウスピースを交換し、細かく歯を動かしていくため、
「1回ごとの歯への負担が軽い」→「痛みもマイルド」と感じる方もいるようです。
ただし、これもあくまで“そう感じた方がいる”という話に過ぎません。
実際には、装置の種類よりも「その人の感受性」や「動かす歯の位置・状態」による影響の方が大きいのです。
つまり──
**「痛みが少ない矯正法」ではなく、「痛みに対する感じ方は人それぞれ」**というのが正直なところです。

■当院で「痛くて治療を続けられなかった人」はいません
当院では、これまでに痛みが原因で治療を中断された方はいません。
そして実際、他院でも「痛くてやめた」という話はあまり聞きません。
もちろん、痛みの感じ方には個人差があるため、
「少し辛かったけど、我慢できる範囲だった」という声はあります。
どうしても気になるときは、市販の痛み止め(ロキソニンなど)を服用していただいてOKです。
無理に我慢する必要はありませんので、ご不安な方には事前にご案内しています。
■まとめ:痛みは“通過点”。ずっと続くものではありません
- 矯正には痛みが伴いますが、それは一時的であり、徐々に慣れていくもの
- ワイヤーもマウスピースも、それぞれの特性によって感じ方が変わる
- 「MP矯正の方が痛くない」と断言するのは誤り。大切なのは個人差への理解
- 最初の数日を乗り越えれば、快適に矯正生活を続けていけます
矯正治療は“歯並び”を整えるだけでなく、一生の健康に関わる大事なプロセスです。
そのスタート地点で「痛みが不安で…」とためらってしまうのは、もったいないと思います。
私たちは、痛みや不安をしっかりサポートしながら、
あなたの治療を全力で応援します。