歯のヒビ(クラックトゥース)
■“歯のヒビ”が抜歯につながる?見えないトラブルの正体
歯のトラブルといえば「虫歯」や「歯周病」が代表格ですが、実は見落とされやすい厄介な問題があります。 それが「歯のヒビ」、いわゆるクラックトゥース症候群(Cracked Tooth Syndrome)です。
歯にヒビが入るというと、「割れた」や「欠けた」といった明らかな状態を想像されるかもしれません。 しかしクラックトゥースは、それよりもごく小さな“線状のひび割れ”のこと。 レントゲンにも映らないことが多く、患者さん自身も気づかないまま進行してしまうことがあるのです。

■どんなときに疑う?
代表的な症状としては、次のようなものが挙げられます:
- 噛んだときだけピリッと痛い(でもすぐ治る)
- 温かいもの・冷たいものにしみる(しみたりしみなかったり)
- 歯に違和感があるが、見た目では分からない
これらは虫歯や知覚過敏とも似ているため、患者さん自身が見分けるのは困難です。 しかもクラックトゥースはヒビの方向や深さによって症状が変わるため、歯科医師でも診断が難しいケースがあります。
■なぜヒビが入る?
原因はさまざまですが、よくあるのは以下のようなケース:
- 歯ぎしり・食いしばりの習慣
- 過去に神経を取った歯(強度が落ちている)
- 銀歯など金属の詰め物での長期使用
- 歯列不正による特定の歯への過度な負担
ヒビは時間をかけてじわじわと広がっていくため、最初は痛みがなくてもある日突然、強い痛みに変わることもあります。

■ヒビが進むとどうなる?
問題なのは、ヒビが歯の根のほうまで達した場合、歯を残せない可能性があるという点です。
深いクラックは歯の内部に菌が入り込む原因にもなり、最終的には「抜歯」という選択を迫られることも。 そのため、ヒビの段階で早期発見・対処ができるかどうかが、歯を守るカギになります。

■予防と早期発見のために
ヒビを完全に防ぐことは難しいものの、次のような対策でリスクを減らすことができます:
- 歯ぎしり・食いしばりがある方はマウスピースを活用する
- 神経を取った歯や大きな詰め物のある歯は定期的にチェックを受ける
- 定期健診で「違和感」を見逃さない
「なんとなく違和感がある」「ときどき痛い気がする」
その小さなサインが、歯のヒビの初期症状かもしれません。
痛みが強くなってからでは、もう手遅れということも。
少しでも気になる症状があれば、早めの受診をおすすめします。